人生オワタカの冒険~ミャンマー編~②ミャンマーの首都ヤンゴンここはどこぞの世紀末の如き街なのか

一息ついてからお腹が減ったのでお昼を食べるために外出した

ネットで調べるとShan Yoe Yarというレストランの評価が高いのでボー・ジオーク・ロードを歩いて飯屋へ向かう

道を歩いていると見知らぬ男に声をかけられた

「オニイサン、マッサージアルヨ!」とかカタコトの日本語で話しかけてきた

ミャンマーくんだりでいきなり日本語使ってくる日本人じゃない人間なんてうさん臭さしかないから「ノー」とだけ言って飯を食うためもくもくと歩く

どうせ詐欺師かマージン狙いのキャッチに違いないからな

しかしずっと着いてきて「オニイサンドコイクノ」「オニイサンニホンノドコカラキタノ」と延々話しかけてくる

三分くらい無視してスタスタ歩いていたところいきなり着いてきていた男が後ろからグーで頭を殴りつけてきた

普通にマジ殴りである

いきなりのことに「は?」ってなって、振り向いてそのまま男に掴みかかってしまった

男の首と腕をつかみ前後に揺さぶりながらあまりのことに動転して「なにすんだおい」と日本語で言い放った

あ、しまったカッとなってしまったと思いすぐ男から手を放し何も言わずにその場を立ち去った

こういうときの東南アジアのナショナリズムは半端ないからリンチされたらたまらんと思った次第である

男は追ってこなかった

後ろをチラッと見ると男は何やら地面を見て何かを探していた

スマホでも落としたか?ざまあみやがれクソがよ

そう思い一応後ろを警戒しながら歩いていると後ろから誰かが走ってくる気配

素早く振り返ると先ほどの男が走って迫ってきていた

よく見ると男の右手には手から余裕ではみ出す大きさのコンクリート片が握られていた

それ探してたのかよ!

めちゃくちゃゴツゴツしている

思考が頭をかけめぐる

まじかよコイツ・・・

まさかこんな状況の当事者になるとは・・・トホホ・・・

どうする?逃げるか?戦うか?

仲間はいない、武器はコンクリート片1個、距離2~3メートル

方や俺は素手・・・素手!

背中向けたらすぐ投げてくるか?防げるか?

早く決断しなくては

くそ!いけ!

考えがまとまる前になんとなく俺は男に向かって飛びかかった

俺が飛びかかってくるのを見て男は持っていたコンクリート片をなんの躊躇もなくぶん投げてきた

コンクリート片は俺の左手の手のひらに当たって地面に落ちた

首から上に当たっていたら確実に殺し合いだったが手に当たったので俺にも少し余裕が生まれ踏みとどまった

あんまり痛くなかったので反撃はしなかった

男の顔から俺の顔まで20cmの距離

背が俺の方が大きいから勝てないと思ったのか石を投げたから気が済んだのか男からの追撃もなかった

20cmの距離で話し合いに移行した

完全にキスする5秒前の距離である

日本語で「てめえ、まじどういうつもりだよ」と質問した

「アナタガワルイ、ワタシガハナシカケテイルノニ、ハナシヲキカナイ」

思ったより日本語が達者だ

「お前の国では話を聞かなかったらいきなり後ろから殴るのか」

「ソウダ、ムシシタラダレデモオコル、オマエガワルイ、ミンナニキイテミロ」

「普通の人はいきなり人の頭を殴ったりはしない、そんな野蛮な人間は普通ではない、お前は頭がおかしい」

俺は悪くないお前が悪いの一点張りである、石を投げつけておいて謝りもしない

「ワカッタ、ナカナオリ、アクシュスル」

「なめてんのかよ、何が握手だ!こんなコンクリートがもし頭に当たったらケガするだろ、話を聞かなかっただけでそんなことをしておいて謝りもしないのか、謝れ!」

「ワタシハワルクナイ」

「てめえ!何歳だ!」

「24」

「この野郎!俺の方が年上だぞ!てめえの国では年長者を敬う文化だろ!〇されてえのか!」

「・・・ゴメンナサイ」

一応謝らせたことで俺の気も少しは晴れた

「無視されたくらいで人を殴ってたらいつか死ぬかもしれんぞ、少しは我慢しろ」

「アナタモムシハダメ」

「うるせえよ!」

こうして最後に男と握手をしてその場は収まった

俺はその場を立ち去りレストランに向かって歩き出した

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